PIX4Dcatch を使用してガウシアン スプラット モデルを生成する

 

ガウシアン スプラッティングとは?

ガウシアン スプラッティングとは、従来のメッシュや点群とは違い、3D ガウシアンの集合としてシーンを表現する 3D シーン再構築とレンダリングのための新しい手法です。これにより写真のようにリアルなレンダリングが可能な、高精細な 3D モデルを生成できます。

ガウシアン スプラッティングの仕組みとは?

ガウシアン スプラッティングは単一のアルゴリズムではなく、複数の手法の総称であり、処理速度を重視するもの、レンダリング品質や幾何学的精度に焦点を当てるものなどがあります。しかし、ガウシアン スプラッティングのすべての手法は、モデル構築の基本要素として「3D ガウシアン」を使用するという共通点があります。

3D ガウシアンは、従来の 3D プリミティブ (離散的な 3D ポイントなど) と比較して、2 つの独自の利点があります。一つ目は、半透明かつ徐々に変化する外観を持つため、多数のガウシアンを滑らかにブレンドできるため、高品質なレンダリングに最適です。一連のガウスからレンダリングされた画像を生成する処理は「スプラッティング」と呼ばれます。これは、ガウシアンを画像平面に投影し、その寄与を複数のピクセルにわたり広げる (すなわち「スプラットする」) ためです。

これは、表面にスプレー ペイントを吹き付ける様子に例えられます。たとえば、スプレーの吹き付けられた点の一つひとつが互いに重なり合う「スプラット」であり、滑らかにブレンドされた結果を形成します。同様に、ガウシアン スプラッティングは投影されたガウシアンを重ね合わせ、シームレスな最終画像を作成します。

ガウシアンを構成要素とする二つ目の主な利点は、入力画像からのガウシアン スプラッティング モデルを構築する際に関係します。ガウシアンで構築された 3D モデルの数学的特性により、パラメーター (位置、スケール、不透明度、回転、色) の変更が結果のレンダリングに及ぼす影響を正確に予測できます。これにより、ガウシアン モデルを繰り返し調整し、適切な角度から見ると現実世界の写真と完全に一致するように作ることができます。

Pix4D では、ガウシアン スプラッティングの強みと従来のフォトグラメトリの出力の信頼性と実用性を組み合わせています。Pix4D の処理パイプラインは、正確にスケーリングされ、ジオリファレンスされたガウシアン スプラッティング モデルを生成すると同時に、ガウシアン スプラッティングの高精細な再構築を作成する能力を活用して、ガウシアン スプラッティング モデルから構築された点群とメッシュも生成します。

ガウシアン スプラッティング技術の利用が適しているプロジェクトとは

ガウシアン スプラッティング技術は、特に、複雑な幾何学的なディテールや細かい構造要素を持つオブジェクトの 3D モデリングの精度とリアリティを大幅に向上させます。

この技術は、従来の手法では表現が難しかった複雑な形状を捉えるのに特に効果的です。また、視覚的なアーティファクトやディテールの欠落を防止するために、高い精度を必要とするパイプやワイヤーなどの細長い要素の処理にも優れています。

この技術は、オブジェクト表面をより滑らかかつ連続的に表現し、視覚的な再現度を向上させます。

PIX4Dcatch でガウシアン スプラットを使用するには

ガウシアン スプラット モデルを生成するための要件は何ですか?

ガウシアン スプラッティングを処理するには以下の要件を満たす必要があります。

• • アクティブな PIX4Dcloud または PIX4Dcloud Advanced ライセンスを保有している
  • 十分な PIX4Dcloud クレジットを保有している
  • モバイル デバイスに PIX4Dcatch をインストールしている
  • PIX4Dcatch または PIX4Dmatic から PIX4Dcloud に処理のために画像をアップロードしている
  • プロジェクト画像の枚数が 2000 枚以下である

出力としてガウシアン スプラット モデルを選択する方法

プロジェクトが作成されたら、PIX4Dcloud にプロジェクトをアップロードする際にガウシアン スプラット モデルでプロジェクトを処理することができます。

ガウシアン スプラット モデルを生成するには、次の手順に従ってください。

1. プロジェクト フォルダーに移動しプロジェクトを選択します。
2. [アップロード] ボタンをタップします。
3. アップロード場所を選択します。
4. [次へ] をタップします。
5. [クラウド処理オプション] で [ガウシアン スプラッティング] のトグルをオンにします。
6. [続行] をタップします。
7. [アップロード] ボタンをタップします。

　　　

「プロジェクトをキャプチャする - PIX4Dcatch」に記載の手順でプロジェクトを正常に撮影したら、[ガウシアン スプラッティング] オプションを選択してプロジェクトをガウシアン スプラッティング モデルで処理します。

消費するクレジット数

ガウシアン スプラッティングの処理には、追加の処理能力と時間が必要です。そのため、この技術を使用するプロジェクトには画像の枚数にかかわらず一律 5 クレジットの追加費用が発生します。

詳細については「クレジットを調べる」をご覧ください。

PIX4Dcloud で結果を確認しダウンロードする方法

プロジェクトは、他のプロジェクトと同様、PIX4Dcloud からアクセスできます。PIX4Dcatch でガウシアン スプラッティングが出力として選択されている場合は、新しく [ガウシアン スプラット] の 3D 出力がプロジェクトの階層に含まれます。このレイヤーは、既定では無効化されておりページの更新後またはプロジェクトを再度開いた際に再度有効化する必要があります。ガウシアン スプラット モデルは、他の出力と同様にダウンロード可能です。

[ガウシアン スプラット] レイヤーが有効化されると、以下のメッセージが表示されます。メッセージでは、ガウシアン スプラット モデルを表示するとパフォーマンスが低下する可能性があることが警告されます。

ガウシアン スプラットを表示するには [ガウシアン スプラッティング] を有効化します。

ガウシアン スプラット モデルの生成のために画像を撮影する方法

PIX4Dcatch でガウシアン スプラッティング (GS) のために高品質の画像を撮影し最適な結果を得るには、以下のベスト プラクティスに従ってください。

撮影経路を計画する

オブジェクトを中心としたシーン

• スマートフォンが常に中心にあるオブジェクトに向いた状態で楕円状の経路に沿って移動します。
• オブジェクトの周りを複数周にわたり撮影する場合は、高さや撮影角度を少しづつ変えます。
• モデルの品質の向上を妨げ、またデータの冗長性につながるため、ほぼ同じ位置や角度から何度も画像を撮影をすることは避けます。

平坦なシーン

• 表面に対して斜めの角度 (30 度 - 40 度) で直線状の経路に沿って移動します。
• 完全に網羅するために、必ず経路上で撮影場所が重なり合うように撮影します。
• 3D 再構築モデルの品質が下がるため、真上からのみ撮影するのは避けます。

撮影中

• 手ブレを防ぐため、スマホをゆっくりと一定速度で動かします。
• 深度計算を妨げるような唐突な動きは避けます。
• 一定の距離を保ちながらオブジェクトがフレーム内に収まるようにします。
• 良好な照明条件で撮影し、再構築モデルの不整合を引き起こす可能性のある影や動くオブジェクトを避けます。
• 可能な場合は、ガウシアン スプラットの成果物の品質を著しく向上させる LiDAR 深度マップも含めます。

保存して確認する

• プロジェクトを保存し、撮影レポートを確認して画像の品質や十分な撮影範囲が確保できているかどうかを確認します。

これらの手順に従うことで、ガウシアン スプラット モデルの生成用の高品質なデータが確実に取得できます。