Pix4D に対応した RTK デバイスをモバイル デバイスと連携して効果的に使用するには、まず正しくセットアップすることが重要です。この構成には、アンテナとモバイル端末のカメラとの間のカメラ オフセットの設定が含まれます。このオフセットは、Pix4Dcatch(SPC+)によって自動で測定される場合もあれば、ユーザーが手動で測定する場合もあります。いずれの場合であっても、このオフセットは Pix4D 対応の RTK デバイスで取得した位置を正確に計算するために不可欠であり、スキャンやグラウンド コントロール ポイント (GCP) の測量精度を確保するうえで重要です。
注: RTK アンテナの最適なパフォーマンスを確保し問題を回避するために、使用前に RTK アンテナのファームウェアを更新してください。更新手順については Emlid Reach RX のファームウェア更新ガイド (英語) をご覧ください。
Emlid Reach RX は、2024 年 4 月 30 日にリリースされたバージョン 2.0.0 から、PIX4Dcatch に完全対応しています。
デバイスに Pix4D 対応の Emlid RTK ローバーを取り付ける
Pix4D 対応の Emlid 製品は GNSS RTK 受信機であり、これを使用することで PIX4Dcatch は、モバイル デバイスで取得した画像の位置情報をセンチメートル レベルの精度で取得できます。Pix4D 対応の Emlid RTK ローバーは、SP Connect の SP コネクター (ケースまたはクランプ) を使用してスマートフォン (iOS) に取り付けることができます。
注: SP コネクターは、Pix4D 対応の Emlid RTK ローバーの購入時に入手できます。また、SP Connect や、ほとんどの家電量販店、自転車・オートバイショップでも直接購入できます。初めて取り付ける際は、製造元の取扱説明書をご覧ください。
Android 端末など、専用ケースがない端末の場合は、ユニバーサル クランプを使用してください。
重要: Pix4D 対応の Emlid RTK ローバーをモバイル デバイスに取り付けたら、カメラ オフセットが自動で測定されているか確認してください。お使いのマウントが一覧にない場合は、カメラ オフセットを手動で計算する必要があります。
スマートフォン モデル
まず、対応する SP Connect ケースにスマートフォンをセットし、SP Connect ケースの手順に従ってケースをデバイスに装着します。
重要: アンテナが上に向くように Pix4D 対応の Emlid RTK ローバーをモバイル デバイスに装着したら、モバイル デバイスの向きが正しいか確認してください。
デバイスの種類 | 向き |
iPhone | 縦向き |
カメラ オフセットが登録済みのデバイス
この一覧は、カメラ オフセットがすでに測定済みのモバイル デバイス (スマートフォンおよびタブレット) と Pix4D 対応の RTK デバイスの組み合わせを示します。対応する組み合わせの場合は、PIX4DCatch が X、Y、Z 軸の各フィールドに正しいカメラ オフセット値が自動的に設定されます。
スマートフォン モデル | 対応 |
iPhone | SPC+ |
iPhone 16 Pro iPhone 16 Pro Max |
✅ |
iPhone 15 Pro iPhone 15 Pro Max |
✅ |
iPhone 14 Pro Max | ✅ |
iPhone 14 Pro | ✅ |
iPhone 13 Pro Max | ✅ |
iPhone 13 Pro | ✅ |
iPhone 12 Pro Max | ✅ |
iPhone 12 Pro | ✅ |
iPhone 11 Pro Max | ✅ |
iPhone 11 Pro | ✅ |
iPhone XR | ✅ |
重要: Pix4D 対応の RTK デバイスに SP Connect ケースが取り付けられていない場合は、オフセット値を下記の手順に従って手動で測定する必要があります。PIX4Dcatch には、自動検出された値を手動で測定した値に上書きすることもできます。
カメラ オフセットの測定
Pix4D 対応の RTK デバイスへの接続を開始すると、[RTK デバイス設定] ダイアログが開きます。[カメラ オフセット] セクションでは、ユーザーが X、Y、Z 軸の正しいオフセット値を設定できます。利用できるオプションは、Pix4D 対応の Emlid RTK デバイスのバージョンとモバイル デバイスおよびデバイス ケースの組み合わせによって変わります。利用できるオプションは [SPC+] と [カスタム] です。
[SPC+] のオプションは、Pix4D 対応の Emlid RTK デバイスのバージョンとモバイル デバイス・デバイス ケースの組み合わせが登録済みである場合にのみ使用できます。[カスタム] オプションは、常に使用でき、ユニバーサル ケースや特定のケースに使用することを前提としています。このオプションでは、カメラ オフセットを手動で測定し、PIX4Dcatch で設定する必要があります。設定したカメラ オフセット値は保存され次回の測定で使用されるため、セットアップに変更がない限りは再設定は不要です。
カメラ オフセットを手動で測定する方法
適切な SP Connect ケースを使用して、デバイスを Pix4D 対応の RTK デバイスに装着します。スマートフォン用ケースは、SP Connect の公式ページから別途購入できます。対応するモデルがない場合は、SP Connect のスマートフォン用のユニバーサル マウントを使用できます。また、SP Connect のケースはほとんどの自転車・オートバイ ショップでも購入できます。
デバイスは横向きにし、画面を前方に向けてセットします。X、Y、Z 軸の向きと、アンテナの基準点の関係性を記録します。基準点は、アンテナの底部にあるネジ穴の中央にあります。また、複数のカメラ レンズがあるデバイスの場合は、どのレンズを基準に測定するかを決定する必要があります。
ヒント: どのレンズを基準とすればよいか分からない場合は、PIX4Dcatch を起動して、各カメラ レンズの前に物をかざしてください。画面が暗くなったレンズが、測定に使用するのに適したレンズです。
X および Y 軸を測定する
X 軸のオフセットを測定するには、まずアンテナの中心から X軸 を垂直方向に、Y 軸と交差するまでの点まで測定します。次に、カメラ レンズからアンテナの中心までの距離を測定します。
Z 軸を測定する
Z 軸のオフセットを測定するには、ハンドルの中心からレンズの中心までの奥行きを図ります。
カメラ オフセット値を入力する
カメラ オフセットを正しく測定・記録できたら、[RTK デバイス設定] ダイアログ内の該当する [カメラ オフセット値] フィールドに値を入力できます。デバイスの地域設定に応じて、測定単位はセンチメートルまたはインチのいずれかで表示されます。
これで、カメラ オフセットが [カメラ オフセット値] の X、Y、Z 軸のフィールドに値が正しく設定されます。[RTK デバイス設定] ダイアログの手順を続けて、Pix4D 対応の Emlid RTK のデバイスとの接続を完了させます。