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PIX4Dmatic プロジェクトをマージ

PIX4Dmatic では、複数のプロジェクトを1つのプロジェクトにマージ (統合) することができます。このマージ機能は、複数のフライトで撮影した空撮プロジェクトや、異なるパースペクティブで手持ち撮影したプロジェクトが複数存在し、1つの包括的な3Dモデルやオルソモザイクを生成する場合に、非常に有効な機能となっています。

プロジェクトをマージする利点

PIX4Dmatic マージ機能の大きな特徴として、それぞれのプロジェクトに対し、撮影方法に最適なキャリブレーション設定を実行したうえで、1つのプロジェクトに統合することができます。例えば、 PIX4Dcatch アプリを使った手持ち撮影のプロジェクトと、ドローンを使って空撮したプロジェクトでは、適したキャリブレーション設定が異なります。それぞれのプロジェクトに最適なキャリブレーション設定を実行したうえでマージすることで、一つの大きなプロジェクトのデータセットとして生成した場合よりも、点群・メッシュ・DSM・オルソモザイクといった再構築モデルを高い品質で生成することが可能となります。

プロジェクトをマージする場合の必須条件

PIX4Dmatic では、一度に2つのフォトグラメトリプロジェクトをマージすることができます。マージを実行する前に、それぞれのプロジェクトに適したキャリブレーションを実行し、実行結果が下のスクリーンショットのように、全ての項目で緑の✔の結果となっていることを、品質レポートで確認してください

quality_check_2.jpg

座標系と精度に関する必須条件

座標系と精度について、以下の項目を確認してください

  1. プロジェクト座標系に既知の座標系を使用した2つのプロジェクトをマージ可能
  2. プロジェクト座標系に任意座標系を使用した2つのプロジェクトをマージ可能
  3. 既知の座標系を使用したプロジェクトと任意座標系を使用したプロジェクトはマージできない
  4. タイポイント (GCPまたはマニュアルタイポイント) の使用が推奨されるが、無い場合もマージ可能
  5. 両方のプロジェクトで共通して使用されているGCPやマニュアルタイポイントを利用し、プロジェクトのアラインが可能
  6. プロジェクト間で共通するGCPは同じ座標系が使用されている
  7. プロジェクト間で共通するタイポイントが3つ以上作成されている (推奨)

操作方法

マージする2つのプロジェクトを決め、以下の操作を行う

ステップ

  1. マージする2つのプロジェクトに対して、それぞれ キャリブレーション を実行
  2. キャリブレーション完了後、保存 をクリック
  3. プライマリプロジェクトとするプロジェクトを開く
  4. メニューバー より ファイル > プロジェクトをマージ (統合) をクリックしてマージウィンドウを開く

    Merge_Projects.png

  5. 統合する .p4m 形式のプロジェクトファイルをドラッグ&ドロップ、または フォルダを選択 をクリックする
  6. プロジェクトが選択されると、ウィンドウに両方のファイル名が表示されることを確認
  7. ウィンドウ下の 次へ をクリック
  8. [オプション] レジストレーション 画面が表示され、プロジェクトで使用されている場合は、共通するタイポイント (GCP や マニュアルタイポイント) をマッチさせる
  9. [オプション] 左側のプライマリプロジェクトからタイポイントを3つ以上選択し、対応するタイポイントをマージされるプライマリプロジェクトから選択する。対応させたタイポイントそれぞれの再投影誤差 (単位: px) が計算される
  10. 次へ、をクリックして レビュー 画面を表示
  11. 2つのプロジェクトのマージ実行に関する、変換詳細情報 (変換、回転、縮尺)が計算され、表示される

    Merge_Projects_px.png

  12. [オプション] 同一のカメラモデルをマージ に✔を入れると、同一のカメラモデルのテーブルがあった場合、マージされる
  13. [オプション] 新しいプロジェクトとしてマージ に✔を入れると、マージしたプロジェクトが別のプロジェクトとして新規に作成される
  14. [オプション] インプットカメラを調整 に✔を入れると、マージされた2つのプロジェクトからインプットカメラの情報がアラインされる
  15. マージ をクリック
  16. マージ完了後は 再最適化を実行する
    注意:マージされるセカンダリプロジェクトのインポートやマージを実行後、キャリブレーションは実行しないでください。プロジェクトはそれぞれ、適切な設定でキャリブレーションが完了しているため、再実行により最適な結果が得られなくなる可能性があります
  17. 再最適化が完了したら、再構築モデル (高密度点群メッシュDSMオルソモザイク) の生成をに進む

FAQ

PIX4Dmatic と PIX4Dmapper のマージ機能に違いはありますか?

大きな違いは、2つのプロジェクト間で共通するタイポイントを自由に選択できる点です。PIX4Dmapper ではタイポイントの名称が同じ場合に限り、タイポイントを選択することができました。

PPKまたはRTKデータを取得しGCPを使用したドローン撮影プロジェクトをマージできますか?

はい、可能です。2つのプロジェクトで同じ座標系を使用している場合は、マージすることができます

画像の座標系が異なるプロジェクト同士をマージすることはできますか?

はい、可能です。アウトプット座標系が同じ場合に限り、マージすることができます

LiDARデータを使用したPIX4Dmatic プロジェクトをマージできますか?

マージできるのは、PIX4Dmatic上で作成したフォトグラメトリプロジェクトに限定されます。が、PIX4Dmatic上で処理された、iPhone または iPad で撮影したLiDARデータを含むPIX4Dcatch プロジェクトに限り、マージが可能です。

プロジェクトをマージすることで、システムリソースの使用を減らすことができますか?

多くの画像データを用いた大規模プロジェクトをマージする場合は、必要とする計算が多いため、メモリや処理といった、システムに対する負荷も大きくなります。詳しくは以下の記事を参照ください
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