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マスク - PIX4Dmatic

このページでは、PIX4Dmatic のマスク機能を説明します。

この機能はバージョン 1.62.0 以降 PIX4Dmatic で使用できます。

マスクとは

マスクとは、画像内の特定のオブジェクトや領域 (車やトレンチ内のパイプなど) に属する特定のピクセルを選択するために使用される、画像のバイナリ セグメンテーションです。マスクは、プロンプトに基づき自動的に生成されます。プロンプトとは、マスクに含める、または除外する箇所を示すために手動で選択される地点です。異なる画像にわたるマスクのグループは、1 つのマスク オブジェクトを形成します。このマスク オブジェクトは、3D ビューアー上で円として表されるとともに表示中のレイヤーとして一覧に表示されます。

isolated_mask_yellow isolated_mask_green isolated_mask_pink

上記 3 枚の画像は、異なる色 (黄色、緑、ピンク) で表された 3 つのマスクを示します。

マスクを作成する方法

前提条件: マスクを作成するには、まず [画像埋め込み] トグルをオンにした状態で [画像の前処理] ステップを実行します。[画像の前処理] ステップでも、3D にマスクを適用するには [深度マップ] トグルをオンにします。このステップでは、マスクの作成に必要な画像埋め込みを計算します。前処理はプロジェクトに保存される 1 度限りの処理です。

  1. (任意) レイヤーを追加: [コンテンツ] パネルにレイヤーを追加します。色を選択し名前をつけることでレイヤーをカスタマイズできます。レイヤーが作成されない場合は、最初に検証されたマスクが新しいレイヤーを自動で作成します。
  2. 画像マスク ツールを有効化します。
  3. プロンプトを開始する: 1 つ以上のレイヤーが作成され検証されると「マスク」項目が表示中のレイヤーに追加されます。[3D で測定] をクリックして 3D でマーカーを作成します。このマーカーは点群の選択範囲とともに表示されます。オブジェクトの寸法が計算され、[プロパティ] パネルに追加されます。またこれらは、測定ボックスおよび辺のラベルとしても 3D ビューアーに表示されます。
  4. 複数の視点: より正確な 3D 選択を行うには、十分な数の画像に対して異なる視点からマスクを作成します。また、[オートマスク] ツールを使用することでマスク作成の時間を短縮できます。

Masks_2

画像にマスクを作成する方法: プロンプト

画像にマスクを作成するには、プロンプトを使用します。

  • ポジティブ プロンプト: マウスの左ボタンを一回クリックして、含める範囲を指定します (緑の円で表される)。
  • ネガティブ プロンプト: Shift キーとマウスの左ボタンをクリックして、除外する範囲を指定します (赤い円で表される)。
  • マスクを検証: マスクが完成したら、Enter キーを押して検証します。新しい画像のプロンプトの開始、画像マスク ツールの無効化または 3D へのマスクの適用をすることでも、過去のマスクが自動的に検証されます。

プロンプトは、大きなオブジェクトのどの部分を含めるあるいは除外するかを示すのに役立ちます。以下の例では、車の前面部分のみを選択しようとしています。ポジティブ プロンプトを 2 回行うと、選択範囲が広くなりすぎました。ネガティブ プロンプトを追加することで、希望する選択範囲を選択できます。

注: プロンプト中にプロンプトの取り消しまたはやり直しをするには、通常の取り消し/やり直すのショートカットを使うか、アプリの [編集] メニューの項目を使用します。これにより、プロンプトがマスクの精度を向上させるかどうか簡単に推測できます。

image6

同じ画像内で複数のマスクを作成する

同じ画像内で複数のマスクを作成することができます。これは、大きなオブジェクト内の離れた部分を示すのに役立ちます。たとえば、車のガラス部分をすべて (フロントガラスとヘッドライト) を選択するには、まずはポジティブ プロンプトを使用します。選択範囲が広くなりすぎた場合は、やり直すのショートカットまたはアプリのメニュー項目の [編集] > [やり直し] を使用して直前のプロンプトをやり直し、最初のマスク (ヘッドライト) を検証して Enter キーを押します。その後、フロントガラスのマスクを別に新しく作成します。

image7

キーボード ショートカットとマウス操作:

  • マウスの左ボタン: 現在の画像マスクにポジティブ プロンプトを追加します。
  • Shift キー + マウスの左ボタン: 現在の画像マスクにネガティブ プロンプトを追加します。
  • Esc キー: すべてのプロンプトを消去します。
  • 取り消しのショートカット/メニューの [取り消し] 項目: 最後のプロンプトを取り消します。プロンプトが表示されなくなるまで実行できます。
  • やり直しのショートカット/メニューの [やり直し] 項目: 最後に取り消したプロンプトを再実行します。元に戻せるプロンプトがなくなるまで実行できます。
  • Enter キー: 現在の画像マスクを検証します。新しい画像のプロンプトの開始も同じ効果があります。

注: [3D で測定] [オートマスク] ボタンの効果は同じです。

画像にマスクを作成する方法: オートマスク

オートマスク機能は、既存の画像マスクを他のマスクされていない画像に適用することで、部分的に自動化されたマスク作成を可能にします。この処理での新しいマスクの生成にはキャリブレーション データが必要です。

オートマスクの前提条件は以下のとおりです。

  • [画像埋め込み] トグルがオンになっている状態で [画像の前処理] が実行されていることを確認
  • オートマスクの前に [キャリブレーション] を実行
  • 既存のマスクにオートマスクが使用される場合は、それらのマスクが PIX4Dmatic 1.67 以降で作成されていることを確認

基本のワークフロー

  1. マスクの作成対象のオブジェクトに対して 1 つ以上のマスクを手動で作成します。(「画像にマスクを作成する方法: プロンプト」をご覧ください。)
  2. 画像ビューアー上の [オートマスク] ボタンをクリックします。
  3. 選択したマスク上に新しいマスクが自動追加されます。
    注: オートマスクが既存のマスクに変更を加えることはありません。新しいマスクを追加するのみです。

ヒント: 背景の中でオブジェクトが明瞭に映っている画像を選択してください。

高度なワークフロー

  • マスクの自動適用: オートマスクは、すべての既存の画像マスクを入力として使用します。
    • 自動適用がすべての目標の画像に適用される前に停止した場合は、[オートマスク] を再実行して範囲を広げます。アルゴリズムは、後続の実行で作成されたマスクを含みます。
      重要: 実行ごとにマスクを検証し、マスクの品質を下げる可能性のある、誤ったマスクの自動適用を避けます。
  • 視点の違いの処理: 
    • オートマスクは、視点が著しく違う画像に対してはスムーズに処理ができない可能性があります。その場合は、それらの画像に手動で追加マスクを作成して、新しい画像グループからマスクを自動適用できるようにします。

警告: 同じマスクに対して [オートマスク] を複数回実行する際には十分注意してください。正しくないマスクが自動適用されるとエラーが発生し、マスクの品質に影響します。

マスクの使用方法

画像マスクが作成されたら、[3D で測定] ボタンをクリックすることでマスク オブジェクトが選択された選択範囲を 3D で作成できます。マスク オブジェクトは次のいくつかの方法で使用できます。

  • オブジェクトを測定

[3D で測定] が実行されると 3D オブジェクトの寸法 (長さ、幅、奥行) は自動で測定され、オブジェクトのプロパティに追加されます。既存のマスクを更新することで 3D 選択を改善できます。

測定は、表示され有効化された点群のポイントを使用して実行されます。測定の際に考慮される点群は、高密度点群、深度点群、融合点群です。自動タイ ポイント (ATP) は測定には使用されません。

表示され有効化された点群がない場合、あるいは非表示のポイントのみが存在する場合は、[3D で測定] の操作は失敗します。測定を実行する前に、適切な点群が表示され有効化されていることを確認してください。

注: 

  • 測定は、無効化されていない表示中のポイントからのポイントを使用して実行されます。測定に使用可能な表示中の点群がない場合、または無効化されたポイントのみがある場合は「3D に適用」は失敗します。
  • 寸法は、マスク上でホバリングまたはマスクを選択した際に測定ボックスが表示されるプロパティ パネルまたは 3D ビューアーで表示できます。測定ボックスでも、3 つの辺上に寸法の値を表示するラベルがあります。これらのラベルは、[設定] パネル内のトグルから非表示にできます。
  • 測定ボックスの向きは、オブジェクト基準または Z軸基準のいずれかを使用できます。向きは、[コンテンツ] パネル (歯車アイコン) 内の [ジオメトリ] メニューまたは [プロパティ] パネル内から選択できます。
  • 向きがオブジェクト基準の場合は、測定ボックスでは、オブジェクトの本当の寸法を計算しマスクされたオブジェクトが最適に配置されるようにします。向きが Z軸基準の場合は、測定ボックスはその軸の一つが Z 軸を基準にするように制限されます。この向きは、マスクされたオブジェクトの面積の測定に役立ちます。

Masks_PIX4Dmatic_re

用意されたプリセットの使用は、マスクされたオブジェクトの正確な測定をアルゴリズムが行うのに役立ちます。

      • 標準: ドローン プロジェクトに最適
      • PIX4Dcatch: PIX4Dcatch のプロジェクトに最適
      • 精密: データが少ない場合でも、より厳密に測定します。他の 2 つのプリセットが機能しない場合に、このプリセットを使用する

        image-3
  • 点群の分類またはクリーニング

1 つ以上の画像マスクがある状態で [3D で測定] をクリックすると、他の選択ツールと同様に 3D の選択範囲が作成されます。この選択範囲は、他のツールで調整したり、ポイントを無効化したり、ASPR クラスを割り当てたりできます。これらの操作は [コンテキスト] メニューから利用可能です。この方法は、[オブジェクトの選択] (英語) ツールと比較してより詳細な制御が可能です。

  • 高密度点群とメッシュの品質を向上

マスクは、シーンから選択した要素を削除することで、3D からそれらの要素を効果的に隠し、それにより高密度点群とメッシュの品質を向上することができます。[マスク対応] 設定で、[高密度点群] ステップと [メッシュ] ステップで使用するレイヤーを指定します。

PIX4Dmatic_Mask_aware
  • DSM とオルソモザイクの品質を向上

マスクを使用することで、DSM やオルソモザイクから雑然とした無関係な情報を削除できます。レイヤー構造を含むシーン (下に道路のある橋、樹冠、地形) では、マスクを使用することで選択範囲にフォーカスを移動することができます。

重要: DSM とオルソモザイクで要素を正常に削除するには、これらはすべての利用可能な画像上で完全に注釈をつけられている必要があります。そうでない場合は、残りの要素のアーティファクトの発生に繋がります。

以下に示されるとおりに DSM とオルソモザイクで使用するレイヤーを指定します。

DSM の処理ステップ オルソモザイクの処理ステップ
dsm3 ortho3

例: トレンチのプロジェクトから支保工をマスクして削除する

  非マスク対応 マスク対応
DSM dsm1 dsm2
オルソモザイク ortho1 ortho2

よくある質問

  • 3D オブジェクト選択ツールとマスク ワークフローの違いは何ですか?

マスク ワークフローでは、範囲の選択に対してより細かい制御ができます。特に、像などの複数の角度から見られるオブジェクトに対してあてはまります。3D オブジェクト ツールでは、このような場合は、十分な結果を得られない可能性がある一方、マスク ワークフローでは様々な視点から精密な 3D 選択ができます。

  • 3D マスク マーカーの作成に必要なマスクの最低数はいくつですか?

必要なマスクの数は利用目的によって変わります。記録、点群クリーニングまたは分類については、1 枚の画像マスクで十分である可能性があります。信頼できるオブジェクトの寸法測定の場合は、同一のオブジェクトに対して複数の視点からの画像マスクが推奨されます。高密度点群とメッシュへの適用の場合は、オブジェクトが表示されるすべての画像で画像マスクを作成します。

  • マスク マーカーを作成し、その後マスクを追加/編集/削除しましたが、3D では何も起こりませんでした。なぜですか?

画像マスクの追加、削除または変更をした後は、再度 [3D で測定] をクリックして変更を適用する必要があります。

  • マスクの精度を向上させるには、どうしたらよいですか?

マスクを調整するには複数のプロンプトを使用します。一つのポジティブ プロンプト (緑の円) は、オブジェクトの 1 つのコンポーネントのみをハイライトします。さらにコンポーネントを追加するにはさらにポジティブ プロンプトを追加します。不要な部分を除外するにはネガティブ プロンプトを使用します。

  • 同一画像内の複数の離れたオブジェクト (建物全面にあるすべての窓など) をマスクするにはどうしたらよいですか?

各オブジェクトごとに 1 つずつマスクを作成します。最初のオブジェクトを選択するにはポジティブ プロンプトを使用し、Enter キーでマスクを検証します。その後同様に、他のオブジェクトの注釈作成に進みます。

  • マスクされた高密度点群とメッシュの品質が、想定ほどよくないのはなぜですか?

最適な結果を得るには、オブジェクトが表示されているすべての画像がマスクされていることを確認します。このワークフローは今後のアップデートでより簡素化される予定です。

  • オブジェクトによっては、マスクが自動適用されやすいものとそうでないものがあるのは、なぜですか?

  1. キャリブレーションの限界: キャリブレーションされた範囲外のオブジェクト (背景要素など) は、効果的にマスクが自動適用されない可能性があります。
  2. オブジェクトの特性: しっかりと定義され、境界が確立されたオブジェクトと比較して、定義が曖昧または一部のみが表示されているオブジェクト (地面など) は [オートマスク] 機能での処理が困難です。
  • 手動マスクの追加が既存のオートマスクの改善に繋がらないのはなぜですか?

[オートマスク] は、既存のマスクに変更を加えることはありません。マスクが不十分な場合は以下の手順を行ってください。

  1. マスクを削除して (右クリック > [画像マスクを削除]) から手動マスクに置き換えます。
  2. 追加の入力を含めて [オートマスク] を再実行し、結果を調整します。
  • 低品質のマスクが生成され続けるのはなぜですか?

これは、マスクされた画像と問題のある画像間で十分な重複情報がないことが原因で発生する可能性があります。解決策は以下のとおりです。

  • 問題のある画像と類似した視点からマスクを作成し [オートマスク] を再実行します。問題のある画像に対してはマスクを手動で作成します。