点群をインポートする - PIX4Dmatic
PIX4Dmatic は、点群の撮影に使用されたセンサーや処理ソフトウェアの種類を問わず外部点群のインポートに対応しています。このページでは、PIX4Dmatic に点群をインポートするための手順をステップごとに説明します。
点群とは
点群は地形、構造物またはオブジェクトの外面を表すために使用される、三次元 (3D) 空間内のデータ ポイントの密な集合です。各ポイントは通常、X、Y、Z 座標を含み、色、反射強度または分類情報などの追加属性を含むこともあります。
点群の生成方法とは
点群は通常、以下のいずれかの方法で生成されます。
-
フォトグラメトリ: 異なる角度から撮影された重なり合う写真 (鉛直、斜め画像) を使用して、3D モデルを再構築し、点群を抽出します。
-
地上型レーザー スキャン (TLS): 固定された位置からレーザーを照射する静的な測定システムです。
-
LiDAR (Light Detection and Ranging): TLS に似ていますが、ドローン航空機、または車両に搭載されます。広範囲のマッピングに広く使用されています。
点群の法線とは
点群の各ポイントは、三次元 (3D) 空間内の正確な位置を表します。しかし、それ自体にはそのポイントにおける表面の向きに関する情報は含まれていません。そこで重要となるのが、法線という概念です。
法線とは、ある特定のポイントにおいて表面に垂直な単位ベクトルのことです。3D モデリングや点群処理では、法線は表面の局所的なジオメトリと向きを理解する上で不可欠です。これらは、表面の再構築、位置合わせ、シェーディング、セグメンテーション、およびオブジェクト認識といったタスクで広く使用されています。
点群は、CAD モデルやメッシュとは異なり、表面の接続性を明確に持たない離散的なポイントのみで構成されているため、法線は直接利用できません。その代わりに、近傍ポイントの空間分布を分析することで推定する必要があります。
注: PIX4Dmatic は、LAS 形式のバージョン 1.2 および 1.4、ならびに圧縮された LAZ 形式の点群ファイルのインポートをサポートしています。
点群をインポートするには
- PIX4Dmatic に点群をインポートする方法として、以下の 2 つの方法があります。
- ホーム画面にドラッグ & ドロップ: ホーム画面に点群をドラッグ & ドロップすると、PIX4Dmatic がインポートされた点群を使用して新しいプロジェクトを自動で生成します。
- [ファイル] > [インポート] > [点群…]: 既存のプロジェクトに対しては、インポートしたい点群を参照してインポートするオプションがあります。
- ホーム画面にドラッグ & ドロップ: ホーム画面に点群をドラッグ & ドロップすると、PIX4Dmatic がインポートされた点群を使用して新しいプロジェクトを自動で生成します。
- [取得タイプ] と [座標系] を選択します。
点群のインポート後、点群の [取得タイプ] と [座標系] を選択します。すべての取得タイプに対して点群の座標系を設定する必要があります。座標系情報が点群のヘッダーにある場合、座標系は事前に自動で入力されます。
取得タイプは、点群のキャプチャに使用された方法によって決まります。点群のインポート時に選択可能な取得タイプは 4 つあります。
-
[非構造化]: この取得タイプでは、点群の法線を計算できません。メッシュ生成はできません。
-
[鉛直]: レーザー スキャンが上空からキャプチャされたと仮定して法線が計算されます。
-
[静的]: スキャナーが点群のローカル座標系の原点に位置すると仮定されます。ローカル座標系の原点は、LAS ヘッダーのオフセット フィールドで定義されます。
-
[軌道を含む]: 軌道ファイルは点群と共にインポートできます。[軌道] オプションを使用するには、点群は GPS 時刻属性を含む必要があります。[軌道を含む] を選択した場合は、以下の手順に従ってください。
軌道ファイルを点群と共にインポートするには
LiDAR 飛行 (通常はドローンや航空機などの空中システムによるもの) の軌道ファイルには、データ取得中にセンサーがたどった経路に関する詳細情報が含まれます。これは LiDAR データのジオレファレンスに不可欠です。
これらの軌道ファイルには、通常以下の情報が含まれます。
-
GPS 時刻: 各記録位置の正確な時間を示します。
-
位置: グローバルまたはローカル座標系における、各タイムスタンプのX、Y、Z座標です。
-
向き: 各測定におけるセンサーの向き (ロール、ピッチ、ヨー) を指定します。
-
速度: 空中システムの速度です (m/秒)。
-
精度: PDOP、衛星の数などです。
現在、PIX4Dmatic は GPS 時刻と位置情報に関連するデータを取り込みます。点群を選択してインポートし、取得タイプとして [軌道あり] を選択した後、次の手順として軌道ファイルをインポートするためのパラメーターを設定します。
PIX4Dmatic は .csv 形式の軌道ファイルをサポートしています。
- [軌道ファイル]: 軌道ファイルを選択します。
- [軌道座標系]:
- 点群座標系
- ローカル点群
- [列の区切り文字]: コラムの区切り文字 (カンマ、セミコロン、パイプ、スペースまたはタブ) を定義します。
- [小数点の区切り文字]: 小数点 (カンマまたはピリオド) を定義します。
- [スキップする行の数]: 軌道ファイルにヘッダーが含まれていた場合にスキップする行の数を指定します。
- [列形式]:
- TXYZ: GPS時刻、X、Y および Z
- XYZT: X、Y、Z および GPS 時刻
- 座標系: 点群をインポートする際に使用する座標系を指定します。[取得タイプ] が [軌道を含む] に設定されている場合は、点群と軌道ファイルの座標系は同じである必要があります。
注: .csv ファイルの形式は TXYZ または XYZY のいずれかである必要があります。[列形式] ドロップダウン リストから正しい形式を選択してください。
点群 (座標系)
GPS Time,X(Easting),Y(Northing),Z(Elevation)
1738158145.743972,287810.765,5140216.2475,452.351
1738158148.542218,287810.132,5140215.402,452.337
X(Easting),Y(Northing),Z(Elevation), GPS Time
287810.765,5140216.2475,452.351,1738158145.743972
287810.132,5140215.402,452.337,1738158148.542218
点群(ローカル)
GPS time,x,y,z
1737371349.809265,-0.086838,-0.040851,0.196585
1737371349.909268,-0.086815,-0.041019,0.196099
注: すべての点群が同じ座標系を使用しており、かつ同じ取得タイプでインポートされている場合は、複数の点群を同時にインポートすることもできます。
点群と軌道ファイルが正常にインポートできたら、PIX4Dmatic は点群と軌道ファイルの両方をプロジェクトのインターフェイスに表示します。
ヒント: カスタム オフセットを必要とする静的センサーを使用する場合は、単一のエントリーを含む軌道ファイルを使用してセンサーの位置を定義できます。オフセットは絶対座標系 (スキャナーに GPS が含まれる場合に有用) または点群のローカル座標系で指定できます。
点群を表示する方法
インポートされた点群は異なる表示方法で色付けできます。
- 既定では、データセットが RGB 画像を使用して取得・色付けされている場合は、色付けは RGB に基づきます。
- [標高で色分け]: 点群の各ポイントの高度に基づく色付けです。
- [法線で色分け]: それぞれ R、G、B にマッピングされたポイントの法線の X、Y、Z 成分に基づく色付けです。法線は、取得タイプ ([非構造化] 以外) に基づき、インポート時に計算されます。
- [GPS 時刻で色分け]: GPS 時刻に基づき、点群に虹色のグラデーションを適用します。先に記録されたポイントは赤で色付けられ、最後に記録されたポイントが紫色になるようにスペクトルに沿って色が変化します。
インポートされた点群を使用してできることとは
PIX4Dmatic プロジェクトにインポートされた点群のみが含まれている場合は以下を実行できます。
- ベクトル化と測定
- 点群の編集
- 点群の位置合わせまたはコンストレイントの使用
- 断面の使用
- ビデオ アニメーション
- [処理]: 外れ値除去の使用および DSM の生成