PIX4Dcatch と viDoc RTK rover を使用する方法

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PIX4Dcatchは、iOSとAndroidで利用可能な地上用写真測量のアプリケーションです。
モバイルデバイスに搭載されているセンサー(写真、LiDAR、IMU、GPS)を活用しながらデータを取り込み、3Dモデルを作成します。

viDocは、GNSS RTK受信機です。これにより、PIX4Dcatchはモバイルデバイスで取得した画像にセンチメートル単位の精度でジオロケーションをつけることができます。

このデータをアップロードし、PIX4Dcloud上で処理することで、2D(オルソフォト、DSM)および3D(点群、メッシュ)結果を得ることができます。また、PIX4DmaticやPIX4Dmapperなどのデスクトップソフトウェアで処理するために、プロジェクトデータをエクスポートして保存することができます。

この記事では、PIX4Dcatchアプリケーションの特徴と使用方法、viDoc RTKローバーへの接続、プロジェクトのキャプチャ、初回の処理方法について説明します。

 
基本的な要件:
  • PIX4Dcatchアプリに対応したAndroidまたはiOSのスマートフォン・タブレット
  • PIX4Dcatch アプリ
  • viDoc RTK rover
  • スマートフォンに対応したSPコネクトケース
  • NTRIPサービス契約、またはNTRIPキャスター搭載のGNSS基地局。
  • インターネットアクセス
  • 処理に使用する PIX4Dmapper、PIX4Dmatic または PIX4Dcloud のライセンス
    (PIX4DmapperはLiDARデータには対応していません。)

PIX4Dcatch をインストールする

viDoc RTK roverを端末にとりつける

viDoc RTK roverをPIX4Dcatchに接続する

データを取得する

ホーム/キャプチャ画面は、アプリを開いたときの主要なインターフェイスです。信号品質タブとユーザーアカウントオプションボタンは、画面の上部にあります。

PIX4Dcatch_RTK_capture_screen_top.jpg

PIX4Dcatch_signal_tab.png     通信品質タブ

PIX4Dcatch_signal_tab.png     通信品質タブは、viDoc RTK roverを接続する前に表示されます。
ドロップダウンメニューarrow_down.jpg を選択し、viDoc RTK roverに接続します。
  • PIX4Dcatch_GPS_RTK_selection.png

RTKダイアログ

PIX4Dcatch_RTK_connection_dialog.png

RTKダイアログと最適な接続

viDoc RTK roverがPIX4Dcatchに正常に接続されると、RTKダイアログが表示されます。この画面には、接続の状態と結果の精度を確認するために使用できる情報が表示されます。

  • PIX4Dcatch RTK dialog header  PIX4Dcatch RTKダイアログのヘッダーには、RTK接続アイコン、RTKデバイスへのアクセス、およびBluetooth設定ダイアログがあります。
    • Pix4Dcatch ViDoc RTK fix green icon Pix4Dcatch ViDoc RTK fix green icon 緑色のRTKアイコンは、viDoc RTK roverへの接続に成功したことを示します。
    • tune icon チューニングアイコンRTKデバイス設定アイコンは、RTK接続の現在の設定を表示します。
    • arrow down expand menu iconBluetooth設定アイコンには、現在選択されているBluetoothデバイスが表示されます。
  • PIX4Dcatch_RTK_dialog_battery.jpg  viDoc RTK roverのバッテリー残量を表示します。使用前に充電しておくことをお勧めします。
  • PIX4Dcatch_RTK_connection_accuracy.png  RTKダイアログの水平・垂直精度レベル。viDoc RTK roverが達成するであろう精度を示します。
  • PIX4Dcatch_RTK_connection_status.png NTRIP RTKのステータス。RTK NTRIP接続のステータスを示します。
    • RTK Fixed: 数cmの精度
    • RTK Float: 1m(3ft)程度の精度。
    • DGNSSのみ: 最大10mまでの精度
    • スタンドアロンGNSS Fix: 10m以上の範囲での精度
    • Fixなし: データが有効でない、見えている衛星が少ない、インターネット接続に問題がある。
  • PIX4Dcatch_RTK_connection_HDOP.png HDOP(Horizontal Dilution of Precision)衛星の位置や分布の現在の品質を示します。一般的にHDOPの値は1以下が理想的とされています。

PIX4Dcatch_account_options.png     アカウント設定

PIX4Dcatch_account_dialog.jpg

PIX4Dcatchのアカウントダイアログです。

アカウント詳細

  • アカウントの作成: 新規ユーザーがアカウントを作成するためのアクセスフォームです。
  • ログイン: 既存のアカウント所有者がログインするためのアクセスフォームです。

詳細

  • オンボーディングを表示: 使い方を示す簡単なスライドをご覧いただけます。
  • ドキュメンテーション: PIX4Dcatchのドキュメントページを開き、学習教材にアクセスできます。
  • コミュニティ: PIX4Dcatch のコミュニティページが表示されます。
  • Pix4D利用規約とポリシー: Pix4D の規約とポリシーの一覧です。
  • サードパーティのライセンス: サードパーティーライセンスのリストです。
  • アプリ使用に関する免責事項: PIX4Dcatchのアプリ使用に関する免責事項へアクセスします。
  • PIX4Dcatchアプリのインストールされているバージョン。

PIX4Dcatch_RTK_capture_screen_bottom.jpg

PIX4Dcatchがキャプチャできる状態になりました。

キャプチャ機能、プロジェクトフォルダはウィンドウの下部にあります。キャプチャボタン DARK.jpgはキャプチャを開始し、ポーズボタンpause.jpg はキャプチャを一時停止します。キャプチャ中にprimary.jpg ボタンでプロジェクトの保存、cancel_circle.jpg ボタンでプロジェクトの中断ができます。

Live_preview.png     ライブプレビュー

Live_preview.png

LiDARやToFセンサーを搭載しているiOSやAndroidユーザーは、ライブプレビュー機能を使って、キャプチャされた画像を確認することができます。

  • Map_view.png  トップビュー:プロジェクトエリアの全景を表示します。
  • POV_view.png  一人称視点:カメラ視点でのフォーカスビュー。
  • Cancel_preview.png  キャンセル: ライブプレビューウィンドウを閉じます。
  • point_cloud.png  ポイントクラウド: 収集したポイントを表示します。
  • camera_position.png   カメラ:カメラの位置を表示します。

ライブプレビューを使用して、キャプチャされたものを確認するのに役立ちます。

file_blk.jpg     プロジェクト

PIX4Dcatch_projects.jpg

PIX4Dcatchのプロジェクトダイアログです。

  • キーワードによるプロジェクトの検索。
  • プロジェクトの種類で絞り込む
    • 撮影済み
    • 処理済み
    • 処理中
    • すべて
  • プロジェクト数
  • 削除するプロジェクトを複数選択できる選択ボタン。

各プロジェクトのサムネイルには、画像数、アップロード状況、プロジェクト名、撮影日などの情報が含まれています。プロジェクトを長押しすると、プロジェクトメニューが表示され、さらに操作を行うことができます。

PIX4Dcatch_Project_menu.jpg

プロジェクトのサムネイルメニュー

  • 名前を変更: プロジェクトの名前を変更できます。
  • アップロード: PIX4Dcloudにアップロードします。
  • 全てのデータをエクスポート: プロジェクト全体を保存もしくは、ローカルでの処理のためにエクスポートします。
  • 取得した点群のエクスポート (PLY): LiDARやTOFセンサーを搭載したデバイスから収集した点群をエクスポートします。(処理には使用されませんが、ライブプレビューで視覚化されます)
  • キャプチャしたメッシュをエクスポート(OBJ): 選択すると、収集したメッシュをエクスポートします。
  • ログのエクスポート: プロジェクト全体の内部的な側面を文書化した現在のログファイルをエクスポートします。ログは新しい情報で上書きされる可能性があるため、潜在的な問題が発生した後すぐにエクスポートすることが重要です。
  • 削除: プロジェクトを削除します。

GCP_management.png     GCP管理

PIX4Dcatch_GCP_management_dialog.jpg

PIX4DcatchのGCP管理ダイアログです。

GCP管理ダイアログウィンドウからは、以下のことが可能です。

  • GCPグループの数を見る
  • PIX4Dcatch_GCP_list_map_view_toggle.png リストビューとマップビューを切り替える
  • 既存のグループをリストアップ
    • coordinateSystem_icon.jpg 入力座標参照系
    • gcp.png グループ内の測定点の数。
  • New_GCP_collection.png 新しい GCP グループを開始する。

測定点リストのグループを選択する。

PIX4Dcatch_GCP_collection_dialog.jpg

PIX4Dcatchのシングルポイントグループのダイアログ。

  • export.jpg GCPコレクションをエクスポートする。全情報とPIX4Dmaticベースのファイル(PIX4Dmaticに直接インポートするため)、ログがエクスポートされます。
  • グループ名
  • グループ内の測定点数
  • PIX4Dcatch_GCP_list_map_view_toggle.png リストビューとマップビューの切り替え
  • 収集された点の数
    • PIX4Dcatch_measured_GCP.jpg

      PIX4Dcatchの1点計測ダイアログ。

    • 点の名前
    • RTK/GPS タグ
    • 水平精度、垂直精度
    • 測定された座標
    • calendar.png 測定された日付
    • timer.png 計測時間.
  • New_GCP_button.png 新しいGCPを測定する。
  • GCP収集のための座標参照系を出力する。

settings_button.jpg     設定

PIX4Dcatch_settings.jpg

PIX4Dcatchのメイン設定ダイアログ。

設定ダイアログを使用して、PIX4Dcatchアプリ内の機能を調整・カスタマイズします。

詳しくはこちら: Settings - PIX4Dcatch.

データセットを取り込む

viDoc RTK rover が PIX4Dcatch に正常に接続されたら、RTK が補正されるのを待ちます。最高の使用感を実現するには、アンテナが妨害されておらず、良好なインターネット接続があることを確認してください。

 
例: RTK の補正が完了すると、水平精度高さ精度が数センチの範囲になります。理想的な条件下では、この値は 0.01m/0.03ft に近くなります。

PIX4Dcatch RTK 補正情報ダイアログ

最適な値の RTK ダイアログ

取得時に [Status] (ステータス) と [HDOP] をチェックして、最適な条件であることを確かめます。

ステータス 説明
No fix (補正なし) データが有効でない、確認できる衛星の数が十分でない、またはインターネット接続に問題がある、などです。
Autonomous GNSS fix (自律 GNSS 補正) データ測定には差動 GNSS のみを使用します。DGNSS は GNSS の拡張版で、基準局に基づいて位置を決定し、曖昧な部分の補正はしません。決定された位置の精度は 10m 以上の範囲となる場合があります。
DGNSS Only (DGNSS のみ) データが有効でない、確認できる衛星の数が十分でない、またはインターネット接続に問題がある、などです。
RTK Float (RTK フロート) デバイスと基地局 (マウントポイント) とが共通に使用している衛星の数が少ないか、または衛星の反射信号を受信しています。決定された位置の精度は 1 m の範囲になる場合があります。
RTK Fixed (RTK 補正済み) GNSS ローバー と基地局 (マウントポイント) の使用している衛星が少なくとも 5 つ共通しており、ローバー は基地局から補正を受信しています。決定された位置の精度は数センチの範囲になる場合があります。
HDOP

HDOP (Horizontal Dilution of Precision) は、衛星の位置と分布がどれほど良好かを示します。

一般的に HDOP は 1 以下が理想とされており、センチメートル単位の精度を達成するには、いくつかのテストから 0.65 以下の値になることが望ましいとされています。

精度の値は、以下のような複数の要因に応じて変動する可能性があります。

  • 建築物、樹木、橋などに近く、GNSS信号が 阻害もしくは反射されている。
  • デバイスの高速移動
  • 無線通信の感度が悪い

詳細はこちら: GNSS と viDoc RTK rover のベストプラクティス

詳細はこちら: データセットの取り込み - PIX4Dcatch

データセットを処理する

取得した PIX4Dcatch プロジェクトでは、3D モデルを処理する複数のオプションがあります。PIX4Dcloud / PIX4Dcloud Advanced に直接アップロードして処理すれば、すぐに結果が得られます。またはプロジェクトをエクスポートして PIX4Dmatic や PIX4Dmapper で処理することも可能です。

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